法人税の確定申告・中間申告・納付・申告期限延長
1.法人の確定申告と納付
確定申告
内国法人は、期末から2ヶ月以内に、税務署長に対して確定申告書を提出することとされています。 この確定申告書は、確定した決算(株主総会の承認を受けた決算)に基づいて作成します。
法人税は、申告納税方式を採っていますので、自ら確定申告書を作成して法人税額を計算し、申告書を提出します。
納付
原則として、申告書の提出期限までに、申告書に記載された税額を、国に納付しなければなりません
ワンポイント!
確定申告書の提出期間は、各事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内ですが、会計監査を受ける場合は、1ヶ月間延長できることになっています。
中間申告と納付
中間申告
事業年度が6ヶ月を超える内国法人は、期首から6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内に税務署長に対して中間申告書を提出することとされています
たとえば、3月決算の会社なら11月末が提出期限となります。 中間申告には、前年度実績に基づいて計算する予定申告と仮決算に基づく中間申告の2種類があります。中間申告書の提出がない場合には、前年度実績方式による申告書の提出があったものとみなされます。
(1)前年度実績方式
中間申告納税額=前期の法人税額÷前期の月数×6
(2)仮決算方式
期首以後6ヶ月の期間を-事業年度とみなして仮決算を行った場合の所得金額に基づく法人税額
How To
中間申告が必要な会社には、原則的には税務署から確定申告とは大分違う申告書と納付書が送られて来ます。
(その1)
簡単に済ませたいなら、その納付書に印字された金額を銀行等に行って支払うだけで大丈夫です。申告書も付いていますが、この方法で支払っておけば、無理に申告書を提出する必要はありません。 概算として前期の税額の半分を前払いしておくというのが大雑把な考え方です。
(その2)
前期に比べて利益が明らかに減少している場合は、確定申告と同じ様に、2ヶ月以内に仮決算をし、中間申告書を提出することも出来ます。ただし、これは決算を少し簡略化した程度のものですから、仮決算するのなら税理士に任せた方が無難でしょう。 会社の営業成績が思わしくない時には、納税額を減らすことが出来ますので、資金繰りが厳しければ、効果があるかもしれませんが、税理士に申告書の作成料を支払う必要が出てきますので、どちらが得になるかを十分考慮して決めましょう。
納付
原則として、申告書の提出期限までに、申告書に記載された税額を、国に納付しなければなりません
ワンポイント!
もし当期が前期に比べてグンと利益が落ち込んでいて、年間でも前期の半分もいかないことが分かっているけれども、資金繰りに余裕があるならば、中間分は払ってしまってもよいでしょう。今の銀行金利より還付加算金(還付金に対する利息)の方が高率です。
申告期限の延長
災害等や会計監査等により、決算が確定しない場合には、一定要件のもとに申告期限の延長が認められています。 商法上、資本金が5億円以上または負債総額が200億円以上の株式会社については会計監査が義務づけられており、これらの会社は「申告期限の延長の特例の申請書」を提出してこの特例の適用を受けています。
ワンポイント!
中小企業でも、たとえば、決算期末から3ヶ月以内に定時株主(社員)総会を開催することにしているような場合は、申告期限の延長が認めらます。定款変更により、定時株主(社員)総会の招集時期を期末から3ヶ月以内に変更すれば延長申請理由としては、大丈夫です(臨時株主(社員)総会議事録を作成・保管し、事実を明確にしておく)。
しかし、本来の納期限(期末から2ヶ月以内)の翌日から実際に納税される日までの期間に応じ、「利子税」が課せられます。 したがって、利子税の負担を回避するため、本来の納期限(2ヶ月目)に納付税額を見積もり予定納税するのが一般的です。