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期末間際の節税

  1. 保険料の年払い
  2. 消耗品・備品の購入
  3. 期末賞与
  4. 短期前払費用
  5. 売掛金の切捨て
  6. 貸倒引当金の計上
  7. 決算期の変更
  8. 切手や印紙の購入

決算間際にかなり利益が出ている状態がわかった場合、そこから節税する方法を紹介します


1.保険料の年払い

節税に利用できる保険には以下のようなものがあります。

  • 経営者を対象とした役員退職金の準備と会社経営のリスク回避のための経営者保険
  • 従業員の福利厚生のための退職金準備と在職中のリスク回避のための生命保険
  • 従業員、役員などの就業中のケガや入院についての損害保険
  • 会社保有車両や店舗などにかける自動車保険、火災保険、賠償保険などの損害保険
  • 従業員などに対してのガン保険など、いわゆる第三分野の保険

期末に加入するだけでは節税に効果はありません。節税効果をもたらすためには、保険料を年額一括支払で契約することです。

税法では、「短期前払費用」という特例があります。これは、継続的に支払うもので、1年以内にサービスを受ける分として支払ったものであれば、期間按分せずに支払った機内で全額損金計上が認められるというものです。

決算間際に節税のために保険に加入するのであれば、年払いで加入するのがよいでしょう。

ワンポイント!

新規加入ではなく、既に加入している保険の場合も、その後1年間の保険料をまとめて年払いする場合は、この「短期前払費用」の特例が適用されます。月払いしているものを年払いに変更することで節税することができるのです。

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2.消耗品・備品の購入

節税のためだけに必要のないものを購入することはやめてもらいたいことですが、必要なものを前倒しで購入するというのであれば、決算間際の節税対策としてはよいと思います。

法人税法における消耗品

  • 取得価額が10万円未満であるもの
  • 使用可能期間が1年未満であるもの

上記の場合は、消耗品費として損金計上できます。

一括償却資産

  • 20万円未満の減価償却資産

10万円以上20万円未満で購入したものについては、一括償却資産として償却します。
一括償却資産については、3年間で均等償却を行いますが、3年以内に除却・滅失した場合でも、3年間にわたり損金算入しなければなりません。法人が、その資産を除却・滅失等の処理をしても税法上は3年間の均等償却となります。

一括償却資産の大きなメリットとして、期の途中で取得した場合でも1年分の償却費を計上できるということです。(通常の減価償却資産減価償却費は期の途中で取得した場合には、取得した日から月割りで償却費を計上します)

そのため、一括償却資産は、通常の減価償却資産より有利な条件で償却することができるのです。

減価償却資産

  • 20万円以上の減価償却資産

購入価額が20万円以上であれば、減価償却資産として通常の減価償却を行い、減価償却費によって損金計上していくことになります。

ただし、資本金1億円以下の中小企業については、取得価額が30万円未満であれば、全額を損金計上できる少額減価償却資産の特例制度というものがあります。

少額減価償却資産の特例を満たす要件は、資本金が1億円以下、従業員数が1,000人以下の青色申告法人であることです。

注意点として、平成18年度の税制改正により、「その供用年度の取得価額の合計額が300万円まで」という上限が設けられました。

ワンポイント!

注意しなければならないのは、決算間際に備品等を購入する場合、購入したものは期中で使用しなければならないということです。購入するだけでは損金にはならず、使用することが要件となっているためです。パソコンなどを購入した場合には、箱のまま放置しておくのではなく、一度電源を入れて使用した履歴を残しておくとよいでしょう。

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3.期末賞与

賞与支給の時期ですが、節税という観点から見ると、期末近くで賞与を支給する方法が一番効果的です。期末近くでは、会社の決算の予測がある程度できているので、税金をコントロールするために賞与額が決められるからです。

税制改正で、賞与引当金が計上できなくなりましたので、決算賞与は非常に有効な節税手段であるといえます。

注意点

賞与に関しては、基本的に未払い計上はできません。損金として計上できるのは、実際に支給した日の属する事業年度ということになりますので、決算間際で支給を決定し、今期中に支給が間に合わなかった場合は来期の会計での損金算入となります。

ただし、以下の要件をすべて満たしている場合には未払い計上をすることができます。

  • 賞与支給額が従業員別に確定しており、さらにその支給額を知らせていること
  • 実際の支給日が決算の翌日から1ヶ月以内であること
  • 支給額について損金経理をしていること

これらのことを満たしていると証明するために、従業員に賞与支給額を通知した確認書などを用意しておき、従業員に日付を自署、押印してもらいましょう。

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4.短期前払費用

税法では、「短期前払費用の特例」という制度があります。

これは、支払った日から1年以内に役務の提供を受ける前払費用のうち一定のものについては、支払い事業年度においてすべて損金算入が認められるというものです。

短期前払費用の特例が適用されるための要件

  • 1年以内にサービスを受けること
  • その期のうちに実際に支払済であること
  • 継続的に1年分の支払をすること

つまり、月払いのままではこの特例は使えないのです。例えば、来月支払分の家賃を期末である今月に前倒しで払ってしまっても、今期の損益には全く関係がないのです。支払った費用はその期間に応じた分だけしか経費として処理できないのです。(発生主義の原則)

注意点

  • これまで月払いで支払っていたものを1年分前払するときには、年払い契約への変更が必要になる
  • 一度年払いに変更したら、その後はずっと年払いでなければならない(したがって利益が一時的なものであればこの方法は使わないほうが来期以降安心です)
  • 役務の提供であることが要件なので、物品の購入には使えない

この特例はあくまで経理の簡略化のためのものであり、利益調整に利用するものではないので、一時的な利益の増大だけをみて安易に使うべき手段ではないでしょう。

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5.売掛金の切捨て

取引を全て現金で行っているという会社はそう多くはないでしょう。そして、売掛金の回収がスムーズにいかないことも多いのではないでしょうか。

あらゆる回収の努力を行った上で、それでも回収できないような不良債権は、切捨てるという選択も節税にとっては有効です。

貸借対照表の上では、売掛金は資産として表示されているため、回収不能の売掛金が大量にあると、苦しい経営状態にも関わらず資産が過大表示されてしまい経営判断を誤ってしまう恐れがあります。

不良債権を貸倒として処理できるケース

  • 会社更生法による更生計画の許可の決定があった場合
  • 会社法による特別清算に係る協定の許可又は整理計画の決定があった場合
  • 民事再生法の再生計画認可の決定があった場合
  • 債務超過が相当期間継続し、債権の回収が不可能であると認められる場合

上記のことからわかるように、税法では基本的に、相手先が破綻している状態でない限り貸倒は認められません。しかし、実際にはこのような法的な整理が行われることは稀です。

そこで、税法では、相手先の会社の財務状況が悪く債務超過の状態が長期間継続し、回復の見込がない場合について、債務免除をして債権を切捨てる方法が認められています。

この場合、債権放棄は書面で行うことが必要です。

また、このような会社との取引を停止してから1年以上経過している場合には、売掛債権の金額から1円を控除した残額を貸倒として処理することができます。

同一地域内の会社に対しての売掛金の総額が、その取り立て費用よりも明らかに少ない場合にも、貸倒処理をすることができます。

残しておく記録

  • その会社と継続的に行っていた取引を停止してから1年以上経っていることがわかるような売掛金台帳などの取引記録
  • その会社が本当に資産状態が悪いのかどうかの調査結果
  • 債権回収業務記録として訪問実績や電話連絡記録など

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6.貸倒引当金の計上

売掛金や貸付金などの金銭債権について、明らかに回収できない場合には、貸倒損失を計上します。

ところが、貸倒損失を計上するほどではない状態の金銭債権もあるでしょう。回収できない可能性が高いけれど、まだ貸し倒れると決まったわけではない状態の金銭債権です。

また、決算の時点では、倒産するとは予測できない債務者でも、急に倒産することがあります。健全な金銭債権についても、一定の確率で回収不能に陥ります。

このような将来の貸し倒れに備えて、会計上は貸倒引当金を設定します。

期末に売掛金が多額に残っている場合、回収不能額を合理的に見積り貸倒引当金として損金計上することは節税になります。貸倒引当金の計上は、ほぼ全ての業種で使用することができる税法上の特典です。

貸倒引当金の計算方法は、法人税法では「個別評価」と「一括評価」の2つが認められています。

個別評価

個別評価は、個々の金銭債権についてそれぞれその内容を検討し損金に計上していく方法です。個別に債権の回収の可能性を一定の条件のもとに検討します。この計算方法は、会社が保有している債権の状況によって異なるため、税理士などの専門家に相談しながら繰り入れていくとよいでしょう。

一括評価

一括評価とは、金銭債権をひとまとまりのものとして考えて、そのまとめた金銭債権に一定の割合を掛けて引当金の計上額を決める方法です。

  • 実績による貸倒の発生割合
  • 法定繰入率(中小企業のみ適用)

のいずれか大きいほうを採用することになります。

業種別法定繰入率

業種区分 法定繰入率
卸売業・小売業 10/1000
割賦小売業 13/1000
製造業 8/1000
金融・保険業 3/1000
その他事業 6/1000

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7.決算期の変更

特殊な方法ですが、ある時期に利益が大きく出るということがあらかじめわかっている場合、決算期をそれ以前に変更してしまうという方法もあります。

例えば、決算月が3月の会社で、突発的に2月に多くの売上がある(もしくは大きな金額が入金される)ことが事前にわかっている場合、1月で決算してしまうのです。

そうすると、翌期は2月からになりますが、1年間をかけてその売上に対する節税をするのですから、時間的な余裕はあります。

しかしながら、大きな金額が入金されるたびに決算期を変更していると、事業計画にもずれが生じますし、前年対比などの経営分析を行うことが困難になりますので、本当に突発的な事態になったときに使う最後の手段としておいてください。

決算期変更の手続き

  • 株主総会を開く(株式会社の場合)
  • 定款の変更をする
  • 変更の旨を所轄の税務署長に届ける

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8.切手や印紙の購入

決算間際に、来期分の切手や印紙を購入する場合、気をつけなければならないことがいくつかあります。

厳密にいうと、切手や印紙を購入して、それらが未使用だった場合、貯蔵品勘定を使って資産に計上しなければなりません。本来、購入時に前払金として計上し、使用するたびに振替仕訳で経費化していくのが正しいやり方です。

しかしながら、実務上それをやると手間と時間とコストがかかってしまい現実的ではありません。したがって、継続適用を前提として購入時における損金算入が認められているのです。

しかし、普段は数万円ずつしか購入していないにも関わらず、決算対策のために決算月にいきなり100万円分購入したような場合は、どう考えても不自然であり税務調査で指摘されてしまいます。

税務調査で問題とならない購入の仕方

  • 決算対策で切手や印紙を購入しているということではないこと
  • 定期的に購入しておくこと
  • その月だけ突出した購入は行わないこと

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